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編集長が語る日経コンストラクションの見どころ

設計ミスを生む慣習

2012/02/10

 設計ミスの責任は、一義的には設計者が負うべきものです。しかし、公共土木設計の現状を見る限り、設計者である建設コンサルタント会社が対策を講じさえすれば設計ミスがなくなるかと言えば、必ずしもそうではありません。続発する設計ミスを抜本的に防ぐには、発注者に起因する問題を解決する必要があります。

 これまで指摘されてきたように、設計ミスが生じやすい状況を、図らずも発注者自身が招いていた面は否めません。成果品の納期が年度末の3月に集中する、設計条件が固まるのが遅い、契約になかった業務が追加されても納期は変わらない、などなど。設計者の愚痴や不満の種として語られる部分が多かった問題です。

日経コンストラクション2012年2月13日号特集「設計ミスが防げない」

 日経コンストラクション2月13日号の特集「設計ミスが防げない」ではこれらの問題に焦点を当てました。国土交通省をはじめとする発注機関がようやく本腰を入れて対策に取り組み始めたこの機を捉え、発注者主導の取り組みを紹介しながら、発注者の果たすべき役割とは何か、受発注者の責任分担はどうあるべきかを考えました。

 対策としては、納期の平準化のほか、いつまでに誰が何をすべきかを受発注者間で共有する工程管理表の活用が始まっています。照査も設計者任せにせず、動的解析を含む照査を発注者自身が第三者の建設コンサルタント会社に別発注する取り組みも出てきました。欧米での照査は、設計者による構造計算とは別に、照査技術者が改めて構造計算を実施するのが主流だそうです。

 思えば、脱談合宣言以前の土木設計の品質確保体制は、建設会社や橋梁メーカーによるいわゆる裏設計に支えられたいびつなものでした。脱談合後は、建設会社や橋梁メーカーが手を引いたことで生まれた空白を埋める作業に、建設コンサルタント会社は追われてきたような気がします。しかし、空白を埋めるだけでは設計ミスを防げませんでした。設計ミスが表ざたになりにくかった裏設計時代とは違って、発注者と設計者と施工者の関係はドライになっています。従来の慣習や仕組み、受発注者間の役割や責任の在り方を再考し、品質確保に向けて新たな体制や仕組みを構築しなければならない時期に来ていると思います。ぜひ特集記事をご一読ください。

畠中 克弘=日経コンストラクション編集長日経コンストラクション

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