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編集長が語る日経コンストラクションの見どころ

荒れた国道が問いかけるもの

2011/03/11

 2010年度は、国道の異変が各地から伝わってきた年でした。沖縄県内では、12月までの国道の除草に関する苦情が前年同時期の4.8倍に増加。国土交通省東京国道事務所には、道路の清掃に関する苦情が前年の約5倍も寄せられたそうです。

 元をたどれば、一つの原因に行き着きます。直轄国道の維持管理費が削減され、維持管理の水準が低下したのです。10年度の直轄国道の維持管理費は、前年度比11.6%減の2089億円。国交省全体の予算が減るなかで、維持管理費も削減の対象になりました。09年11月の政府の行政刷新会議による事業仕分けで、維持管理については予算要求の10~20%削減や統一的な管理基準が求められたことも、きっかけになりました。

 国道の管理水準を落とすに当たっては、全国でまちまちだった水準をまずは低い水準に合わせて運用してみようという試行的な意味合いもあったようですが、財源が減ったからといって機械的に維持管理の水準を落とすようでは先が思いやられます。適切な維持管理の水準を改めて見極めるのはもちろん、発注の工夫や新技術の活用によって効率化したり、民間企業や市民の力を効果的に活用したりして、インフラの維持管理像を再構築することが必要です。

 日経コンストラクション3月14日号の特集「維持管理を救え」は、そんな問題意識で取り組みました。従来のやり方ではインフラの維持管理が破綻してしまいかねないことから、維持管理の効率化や資金の調達などを工夫している事例を取り上げ、今後の維持管理像を探っています。ぜひご一読ください。

 「荒廃するアメリカ」という本で知られるように、今から30年ほど前の米国のインフラはすさんでいました。いまだにその後遺症を引きずっているようです。「荒廃する日本」にしないためには、財源不足を乗り越える知恵が求められています。

畠中 克弘=日経コンストラクション編集長日経コンストラクション

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