国土交通省は2012年度までに、情報化施工を標準的な工法にするというロードマップを示しています。道路や河川の土工事や舗装工事が対象です。同省は中小工事への普及を進める方針です。

 現時点での建設会社の取り組み姿勢にはばらつきがあるようですが、国交省の方針を踏まえて情報化施工に積極的に取り組む建設会社が出てきています。積極派の地方の建設会社からは、「この種の工事が増えるのは間違いない。そのための準備はしておかなければならない」とか「こういうときだからこそ、得意な部分を打ち出していきたい」といった声が聞こえてきます。

 実際に情報化施工が普及するのかどうか。入札要件や総合評価落札方式での評価項目として一般化するのかどうか。はたまた、従来の“護送船団方式”のように、プレイヤーの大半がスタートラインに立つまで競争はさせないのか。今後の公共事業と同じように、今後の情報化施工にも不透明感が漂っています。

 しかし、公共事業の削減によって受注競争はさらに激化する可能性があります。積極派たちが考えるように、いま情報化施工に取り組まなければ習熟が遅れ、将来の足かせになるかもしれません。情報化施工は仕事を効率化する可能性を秘めているからです。先行する大手の建設会社や道路舗装会社では、情報化施工をいかに効率化や高品質化に役立てるかに知恵を絞っています。

 日経コンストラクション6月25日号の特集「勝つための情報化施工」では、情報化施工の習熟に努め、施工の効率化を進める取り組みに焦点を当てました。情報化施工に初めて挑んだ建設会社の検証結果も紹介しています。ぜひご一読ください。