土木の仕事を進めるうえで、地球温暖化対策の重要性が年々高まっています。4月20日には、2020年の温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減する中期目標を盛り込んだ地球温暖化対策基本法案の審議が国会で始まりました。当面、法規制強化の流れは変わらないでしょう。CO2削減などの提案が受注時の競争要件として重要性を増すだけでなく、低炭素まちづくりなどの提案を求められる機会が増えるのは間違いありません。

 温暖化対策が重要な評価軸になれば、選択する工法も変わる可能性があります。大成建設・五洋建設JVが大阪市内で施工する共同溝では、施工者の提案に基づき、CO2削減を重視してたて坑の掘削に上向きシールド工法を採用しました。

 環境技術の進展も無視できません。建設業界では建築住宅分野で先行したLED(発光ダイオード)や太陽光発電装置の導入も、土木分野に広がりつつあります。LED照明はついに道路トンネルへ採用され始めました。課題である初期コストの高さや道路照明としての性能も、急速に進む技術開発によって克服できそうです。

 環境技術の進展に目配りしつつ、既存の土木技術や使用材料を温暖化対策という物差しで評価し直して提案することが求められるわけです。温暖化対策は土木の設計や施工を変えていく可能性があります。

 日経コンストラクション4月23日号では、毎年恒例の土木工法特集で環境技術に焦点を当てました。題して「当たり前になるグリーン技術」。LEDや太陽光発電装置の導入トレンドとともに、土木工事やコンサルタント業務での温暖化対策の取り組みを追いました。ぜひご一読ください。