資格は“万能薬”ではありません。資格を持ってさえいれば仕事にありつけるわけでもないし、いい仕事ができるわけでもない。でも、チャンスが広がり、選択肢は増えるでしょう。それを生かせるかどうかは本人次第。たかが資格、されど資格です。

 日経コンストラクション1月22日号の特集では、土木分野で注目度が高い技術士とコンクリート診断士を対象に、資格の生かし方を探っています。題して「資格が広げる技術者の仕事」。併せて、計14の注目資格の攻略法について最新の動向を交えて紹介しました。

 特集では、8人の資格取得者に活用体験を語ってもらっています。ご登場いただいた方々は、「受注につながった」「受験勉強で得た知識が仕事に生かせた」「人脈が広がった」「発注者の信頼を得られた」「管理技術者になれた」などと、有形無形のメリットを享受していました。「起業できた」「転職につながった」などと働き方を変えることができた人まで、資格の生かし方は様々です。

 家族の危機を救うために、転勤を命じられたのを機に、保有していた技術士の資格を生かして建設コンサルタント会社を起業した方もいました。学校を休みがちだった子どもを案じ、家族と過ごす時間を大切にするための決断でした。本人は「当時の選択は正解だった」と述懐しています。資格取得が技術者人生を変えることもあるわけです。

 日経コンストラクションでは今号から、「コンクリート診断士一直線」と題するコンクリート診断士の試験対策記事を隔号で連載します。前号から隔号連載を始めた「技術士一直線」と交互に掲載し、読者の方々のスキルアップをサポートしていく考えです。それらの連載と併せて、今号の特集記事をお読みください。