鳩山新政権の目玉施策「事業仕分け」が11月11日から実施されています。行政刷新会議(議長:鳩山由紀夫首相)のワーキンググループが、2010年度予算の概算要求から447事業を取り上げて210~220項目に整理し、その必要性や効率性、担い手の妥当性などを公開の場で議論するプロセスです。

 11月26日時点で、事業仕分けは17日までの第1弾の議論を終え、24日から再開した第2弾の議論ももうじき終えますが、日経コンストラクションは11月27日号の特集「シビアになる公共事業の選別」で第1弾の議論の模様を速報しました。「追跡■民主党政権下の土木」と題するシリーズ記事の一環です。

 行政刷新会議による事業仕分けの模様はインターネットで配信されたので、議論をリアルタイムで視聴した方も少なくないでしょう。事業仕分けのやり方に改善の余地があることは多くの人が感じたでしょうが、事業の是非や進め方を公開の場で議論するというプロセスの透明性は際立っていました。改めて透明なプロセスの重要性が浮き彫りになったと思います。

 国民の不信感を払拭して公共事業が復権するには、透明なプロセスと客観的な評価手法が不可欠です。透明なプロセスと客観的な評価手法に基づいて個々の事業の是非を議論し、進めるべきは進め、やめるべきはやめるようにしていかなければ、公共事業に対する信頼を取り戻すことはできません。公共事業にとっては、事業仕分けの取り組みも、事業評価の見直しも、事業中止後の対応も非常に重要です。今号の特集ではそれら三つのテーマごとに最新の動きを追っています。ぜひご一読ください。

 もっとも、コストカットだけではジリ貧になるのが火を見るよりも明らかです。シリーズ記事「追跡■民主党政権下の土木」では今後、建設産業の立て直し策や成長戦略も描いていきたいと考えています。