建設業界に対する世間のイメージは、脱談合や競争激化に象徴される激動期の前のまま。脱談合の動きは世間にはあまり伝わっておらず、公共事業の価格は高いという旧来のイメージを引きずっているーー。

 日経コンストラクションが建設関係者と一般の人の双方に意識調査を実施したところ、このような実態が見えてきました。建設関係者と一般の人との間には、以前から意識のギャップはありました。しかし、建設関係者が「変わった」と思っていることを一般の人が「変わっていない」と考えているとすれば、両者のギャップは競争市場への脱皮で縮まるどころか、むしろ広がったというべきでしょう。

 日経コンストラクション8月14日号の特集は「なぜ建設業界はたたかれる」と題し、建設業界に対するバッシングの真相を探りました。建設関係者と一般の人への意識調査の結果を分析し、各社の広報担当者や識者への取材を通して、世間とのギャップを埋めるために何をすべきかを考えました。

 報道分析会社の協力を得て、業界別の新聞記事を定量的に分析した結果も載せています。そこで明らかになったのは、何も建設業界だけがたたかれているわけではないということです。でも、建設業界に対する世間のイメージは明らかに悪いわけで、なぜ建設業界よりたたかれている業界の方が建設業界よりイメージが良いのかも考察しています。

 「建設業界に対する世間やマスメディアの見方は偏っているのではないか」というたくさんの読者の方々の声に応えて企画した特集です。ぜひご一読ください。