落札総額ランキングで鹿島が2年連続1位。大林組は前年度の19位から巻き返して2位に。前年度に2位と健闘したハザマは9位に下がったーー。主要公共発注機関が2008年度に実施した予定価格3億円以上の土木工事の入札1235件を、日経コンストラクションが独自に分析した結果です。

 国土交通省、農林水産省、高速道路会社などの入札結果を調査し、発注者別・地域別・工種別の落札総額や受注率(入札参加件数に対する落札件数の比率)、落札率(予定価格に対する落札価格の比率)などを明らかにして、日経コンストラクション6月12日号の特集「塗り替わる分野別の勢力図」に掲載しました。1年前に掲載して好評を得た調査記事「2007年度主要土木工事入札結果」の08年度版です。前年度との比較や企業別の分析などを加え、内容をよりいっそう充実しました。

 大手4社では、鹿島がダム、橋の上下部一体、シールドトンネル、地下といった幅広い工種で実績を伸ばしたのに対し、大成建設や清水建設は際立った成果を残した工種が限られていました。

 08年度の後半に急追した会社もあります。前田建設工業は、08年度の落札総額の8割以上を第4四半期に計上し、落札総額ランキングで5位に食い込みました。

 国交省発注の港湾・空港分野では、前年度に3位だった東亜建設工業が前年度1位の五洋建設を抑えてトップに立ちました。前年度は上位3社の落札総額の差が20億円足らずだったのが、08年度では1位の東亜建設工業が2位の五洋建設に80億円余りの差を付けて、頭一つ抜けた感じです。

 08年度は低入札価格調査制度の調査基準価格の引き上げによって落札総額上位企業の多くで落札率が上昇しました。実質的に価格競争の幅が狭まり、いわゆる逆転落札が増える傾向にあります。総合評価落札方式の入札の経験を積んで、各社の戦い方も変化しています。参加案件を絞り込んで受注率が向上した会社もあれば、連戦連敗するなど低迷している会社もあります。特集では38ページを割いて様々な分析を試みました。ぜひご一読下さい。