21世紀は環境の世紀だといわれ、環境が大事なことはわかっている。でも、環境ではメシが食えない。環境は手間や経費がかかるばかりで、ビジネスにはつながらないーー。そんな思いを抱いている方はまだまだ少なくないのではないでしょうか。

 確かにビジネスとしての環境分野はくみしやすい相手ではないかもしれません。しかし、中長期的にみて拡大が見込まれる有望な市場の一つであり、景気対策でも環境関連の投資は重要な柱に位置付けられています。環境関連分野への積極的な投資によって環境問題と経済危機を同時に乗り越えようとするグリーン・ニューディール政策は、オバマ大統領が積極的な推進を掲げる米国だけでなく、わが国でも注目を集めています。

 そして何よりも、環境を軽視する企業や技術者は今後ますます、社会から厳しい目を向けられることになります。それでなくとも社会から厳しい目で見られている土木界が社会の信頼を取り戻すには、環境問題に積極的に対処していくことが不可欠です。地球温暖化の防止、ヒートアイランド現象の抑制、自然エネルギーや未利用エネルギーの活用、リサイクルの推進、生物多様性の保全・回復、汚染された土壌や水の浄化など、取り組むべき分野は多岐にわたります。

 では、どのようにして環境の仕事をものにしていけばいいのか。そのヒントを探ったのが日経コンストラクション3月27日号の特集「技術でつかむ環境市場」です。土壌汚染対策、水環境の改善、緑化などを中心に最前線の動きを追いました。

 ホットな話題としては、東京都中央卸売市場の移転問題で、土壌汚染対策の工費削減を目的に投入されようとしている新技術を取り上げました。このほか、市場縮小下でも売り上げを伸ばしている環境技術を紹介しています。土木施設でも採用され始めたLED(発光ダイオード)の動向もまとめています。ぜひご一読下さい。