「スチールハウス」は、ツーバイフォー工法の木材をスチール(亜鉛メッキした1mm厚程度の軽量形鋼)に置き換えた住宅で、工法も材料寸法も似ている。したがって米国では、木材が高騰するとスチールハウスが増えるといった関係にあるといわれている。30年ほど前に開発され、1997年には9万戸あまりが建てられている。

わが国でも鉄鋼メーカーが共同開発して連名で国土交通大臣の認定(国住指第3780~3783号)を取得。住宅、共同住宅、寄宿舎などは全国的に平屋から小屋裏利用3階建まで(店舗、事務所、診療所、倉庫などは平屋のみ)、建築面積3000m2までが建築可能。やはりツーバイフォー工法と類似した規定となっている。

主要部材の面でいうと、ツーバイフォーでは木材38×89mmのところ、スチールハウスではC形鋼89×40×12mmでフレームを組み、面材は同じ構造用合板を張って耐力壁とする。ツーバイフォー材を鋼材に置き換えたような工法だ。ただし、床・壁パネルや屋根トラスなどの合板の取り付けは、下地が鋼材なのでCNくぎの代わりにドリルねじで緊結する。

スチールの枠材は工場生産なので、品質は安定しており、現場での加工は不要。木材に比べて作業性が高く、蟻害や反り・ねじれの心配がない。建築時の木材使用量を大幅に削減できるうえ、スチールはリサイクル可能(リサイクル率約70%)で環境保護の観点からも有用だ。

認定工法なので、設計・施工に当たっては、スチールハウス協会の研修を受ける必要がある。