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谷口吉郎がホテルオークラに込めた“東洋の誇り”(前編)

2015/03/03

 2月から解体の始まった東京會舘ビルに続いて、谷口吉郎が設計にかかわった都内の建築がまもなく建て替えとなる。日本を代表する老舗ホテルの1つ、ホテルオークラ東京(東京都港区)の本館だ。408室の客室を持つ同館は、8月末で営業を休止し、9月から解体工事が始まる予定となっている。

 その後、ホテルオークラは2020年の東京五輪に向けて、19年2月末までに高さ約195mと約85mの2棟を建設し、同年春に営業を再開する計画だ。本館の工事期間中は、本館の南側に建つ別館(客室388室)のみで営業を継続していく。隣接する大倉集古館も14年4月から約4年間休館し、本館の建て替えに合わせて改修工事を行う。

9月から解体が始まる予定のホテルオークラ東京本館。本館の営業は8月末で休止し、別館のみ稼働する(写真:吉田 誠)

本館の建て替え中も営業を継続する別館のエントランスホール。エントランスホールの設計は谷口吉郎。屏風形の壁画は版画家の棟方志功によるもの。照明をはじめ、本館と同一基調とするよう配慮されている(写真:吉田 誠)

本館建て替え後のイメージ。オフィス棟(中央)とホテル棟(左)の2棟を建設する予定。設計者には複数候補が挙がっており、谷口建築設計研究所も含まれている。中央手前は保存される大倉集古館。右の白い建物はホテルオークラ東京の別館(資料:ホテルオークラ東京)

 本館は1964年開催の東京五輪を控えた62年5月に開業。施工は大成建設が担当した。開業当時、ホテルオークラは国内向けの宣伝では「1万8000坪の芸術」、海外向けの宣伝では「The Pride of the Orient(プライド・オブ・ザ・オリエント、東洋の誇り)」などのフレーズを多用した。

 その言葉通り、開業から52年を経た今日、ホテルオークラ東京は本館、別館ともに国内外の多くの人々に親しまれる宿泊施設となった。ホテルのサービスや料理などは引き継がれても、本館の建物はあと半年で見納めとなる。ホテルオークラ東京の顔ともいえるロビー空間がどのようにしてつくられたのかを中心に、現在の写真を交えながら、振り返ってみよう。

菅原 由依子日経アーキテクチュア

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