日経BP社は2月9日、「ECHO CITY製品大賞2014」の受賞者の発表と贈賞式を開催した。大賞を受賞したのは、旭ファイバーグラスの「アクリアα(アルファ)」。住宅用として一般的なグラスウール断熱材で、繊維を極細(繊維径約3μm)にしたことにより、断熱材の厚さを薄くしても高い断熱性能を引き出せるようにした。断熱材を標準的な柱の厚さ105mmに収めたうえで、国の基準(2013年の改正省エネ基準で北海道の壁に要求される値)をクリアした点が高く評価された。

ECHO CITY製品大賞の受賞の喜びを語る旭ファイバーグラスの狐塚章社長(写真:都築雅人)
ECHO CITY製品大賞の受賞の喜びを語る旭ファイバーグラスの狐塚章社長(写真:都築雅人)

 ECHO CITY製品大賞は、都市や建築・住宅の未来を切り開く優れた建材・設備を表彰することで技術や産業の発展に寄与し、社会に貢献することを目的としている。日経アーキテクチュアと日経ホームビルダーが2013年度に創設したもので、今回が2回目となる。2014年9月1日から30日にかけて、広く建材・設備メーカーから製品を公募し、61製品のエントリーがあった。これを受けて、建築家の隈研吾氏を委員長とする審査委員会を開き、大賞1点、特別賞3点を選定。その結果をこのたび発表した。

 製品大賞のほかにも、施工性や意匠性など特定の分野で高い評価を得た3製品に特別賞を授与した。受賞したのは、MCパイオニアOLEDライティングの有機EL照明モジュール「VELVE(ヴェルヴ)」、パナソニックのSmart Archiシリーズ「LEDペンダント導光パネルタイプ」、LIXILのココだけ簡単快適エコリフォーム「ココエコ」の3点だった。

 隈委員長は、会場で流されたビデオメッセージのなかでアクリアαを大賞に選んだ理由について「性能を向上させるという技術開発の王道を進みつつ、日本の木造軸組み構造の住宅の柱幅に合うように開発したことで、市場への波及効果が期待できる。これらの点が審査員に支持されて高い評価を得た」と説明した。さらに「特別賞を受賞した3製品も、施工性、意匠性、将来性など個性が光るものだった」と述べた。

 大賞1点、特別賞3点の特徴や審査段階の講評などは、日経アーキテクチュア2月25日号、日経ホームビルダー3月号にそれぞれ掲載する。