アースドリル工法で施工

 市建築局によると、杭工事は6~7月に実施。アースドリル工法で計18本の杭をつくった。杭長は9~12m、杭径は軸部で1.2~1.8m、拡底部で1.8~3.0m。下請けの専門工事会社の市川運輸(横浜市)が施工した。杭打ち用の重機で、設計図書で定めた杭長や杭径が確保されるように掘削。杭孔内部に鉄筋かごとトレミー管を建て込み、コンクリートを打設した。

 問題が判明したのは9月29日。元請けの渡辺組JVが地下駐車場の施工のため、基礎底面レベルから0.5mまで掘り下げた際、10本の杭の頂部の異常を確認した。鉄筋かごのフープ筋の外側で、コンクリートが十分に回り込んでいなかった。施工者から報告を受けた工事監理者、市の監督員も同日確認した。

地下工事のための根切りの過程で、杭のトラブルが発覚した(資料:横浜市)
地下工事のための根切りの過程で、杭のトラブルが発覚した(資料:横浜市)

 市は設計・工事監理者や施工者と対応を協議。学識経験者や杭の専門家に相談したところ、「杭の頂部にコンクリート充填不足が発生しても、下部にまで及んでいない可能性がある」との見解が寄せられた。これを踏まえ、杭の施工状況を把握するための調査方法を決定。10月下旬に詳しく調査することにした。