横浜市が進める港南区総合庁舎の移転新築工事で、場所打ち杭のコンクリート充填不足が判明した。現在、工事は中断している。市が11月12日に発表した。打設した全18本の杭を撤去して再施工する方針で、2016年2月予定の新庁舎の竣工は遅れる見通しだ。

コンクリートの充填不足が判明した杭。基礎底面から2.5mの深さでの状況(資料:横浜市)
コンクリートの充填不足が判明した杭。基礎底面から2.5mの深さでの状況(資料:横浜市)

 新庁舎は、地下1階・地上8階建ての免震構造で、延べ面積は約1万8000m2。現庁舎の老朽化に伴い新築する工事で、区役所と消防署を併設する。市内企業の入札参加機会を確保するため、建築工事を地下部分(第1工区)と地上部分(第2工区)に分けて発注した。

 杭の施工不良があったのは第1工区で、渡辺組・見上工業JVが担当している。第2工区の施工者は鹿島・谷津建設・中島建設JV。設計・工事監理者は小泉アトリエ(横浜市)。

港南区総合庁舎の建設現場(写真:日経アーキテクチュア)
港南区総合庁舎の建設現場(写真:日経アーキテクチュア)
市は、建築工事を地下部分(第1工区)と地上部分(第2工区)に分けて発注した(資料:横浜市)
市は、建築工事を地下部分(第1工区)と地上部分(第2工区)に分けて発注した(資料:横浜市)