建築家の飯塚豊さん(i+i設計事務所主宰)
建築家の飯塚豊さん(i+i設計事務所主宰)

住育エンタテイメント「住まいダービー」、長月杯がレース中盤を迎えました。「間取り」をテーマにした第1レースのクイズ出題者は、建築家の飯塚豊さん(i+i設計事務所主宰)。暮らしやすさはもちろん、家族仲にまで影響を及ぼす「間取りづくり」について、実用的なヒントがあふれるクイズを出題しています。


 「どんな家に暮らしたい?」と問われたら、「リビングは◯畳以上あって、個室は3つあって、収納がたくさんあって…」といった風に、理想の間取りをイメージするのではないでしょうか。しかし、「◯平米のLDK」や「◯LDK」といった、平面的な広さや部屋の数だけを考える「二次元の間取りづくり」は、暮らしにくさを招いてしまう恐れがあるのです。

 長月杯第1レースの出題者である建築家の飯塚豊さんが得意としているのは、立体的な空間構成によって、生活動線だけでなく光や風をも操る、「三次元の間取りづくり」。いくらリビングが広くても、部屋数が多くても、収納が大きくても、上手に使いこなせなければ意味はありません。そして、空間のつながりは、平面的な部屋の並べ方だけでつくるものでもありません。スキップフロアで高低差を付けたり、気配が伝わる室内窓を付けたり、高さ方向に施す工夫で、住まいに多彩な変化をもたらすことができると飯塚さんは言います。

 そしてもうひとつ、飯塚さんが「間取りづくり」をする上で大切なポイントと説くのは、「光」、「風」、そして「熱」を操ることです。明るい日射しが差し込み、心地よい風が抜け、夏涼しく冬は暖かい家。快適な住まいの基本的な条件ですが、これらも「間取りづくり」で操作できるものなのです。もちろんこれらも、「窓をたくさん付ければいい」というものではありません。光がたくさん入っても、外から丸見えでは、カーテンが閉めっ放しになり、あまり良くないですよね。

 「使っていない部屋」「物をしまいっ放しになっている収納」「暗くてじめじめしている部屋」…。あなたの家にそんな場所はありませんか?あまたの個人住宅を設計してきた経験を生かして飯塚さんが繰り出すクイズには、使いやすく暮らしやすい住まいを実現するための「間取りづくり」のノウハウが詰まっています。2014年10月に出版する飯塚さんの著書、『間取りの方程式』(発行:エクスナレッジ)からの出題も盛りだくさん。そんな長月杯第1レースのクイズの一部をご紹介しましょう。

Q もしかしたら家族仲が悪くなってしまうかもしれない間取りはどれ?

a 家族がいつも一緒の完全ワンルームスタイル
b 玄関からリビングを経由する子供室
c 夫婦それぞれの専用スペース
d 子供の様子が確認しやすいように引き戸で仕切った子供室と主寝室

 「家族仲が悪くなってしまうかも」なんて、穏やかではありませんね。でも、家族の関係性は間取りでつくられると言っても過言ではないほど、大きな影響を及ぼすものなのです。クイズの中には、「二世帯住宅」の間取りづくりのポイントに言及したものも。これから家づくりやリフォームに取り組もうと思っている人には、ぜひとも挑戦してもらいたいレースです。

 クイズの正解と解説は【住まいダービー】に掲載しています。