見たことがあるような気はするものの、意外と意味が分からないのが間取り図などに書き込まれている図面記号。プロだけでなく、実は一般の人にとっても、これらの意味を理解することは重要です。うっかり知らずに家を購入したり、リフォーム時に見落としたりすると、のちのちの生活に支障をきたし、場合によっては命にかかわることも――。

【建築専門誌に来たばかりの駆け出し女子】菅原由依子記者(写真:日経BP社)
【建築専門誌に来たばかりの駆け出し女子】菅原由依子記者(写真:日経BP社)

 住宅の壁は材料や構造によって、位置を変えたり、穴をあけたりできない場所があります。「図面とそこに書かれている記号にはいろいろな意味が込められています。リフォームで後からできること、できないことも把握できますし、建物の構造的な成り立ちなども理解できます」。今回の出題者、外食業界や健康業界などの雑誌を経て、日経アーキテクチュアに配属された【建築専門誌に来たばかりの駆け出し女子】、菅原由依子記者は言います。

 避難関係の記号の意味を知っているかどうかは、災害時に安全に避難できるかどうかを左右する可能性すらあります。「一般の人もある程度は理解しておく必要があると思います。私と図面記号の意味を学びましょう!」(菅原記者)。

 たとえばこの記号。長方形に斜め線の似たような図面記号はいろいろありますが、これは通常、各戸に電力を引き込む「分電盤」を示します。停電時や災害などに備える意味でも位置をしっかり把握しておきたいもの。また容量(アンペア数)や引き込み方式なども確認が必要。引き込み方式が単相100Vの場合は、IHクッキングヒーターなどの増設が難しいケースもあります。

 略語なども重要です。たとえばマンションでよく見かける「PS」。ここには上下階を貫く配管が通っており、勝手に位置を動かすことができません。避難できる出入り口や上下階の避難口の場所などを把握しておくことも必要です。リフォーム時に構造壁を撤去してしまうと、地震を受けたときの耐力が不足してしまうこともあるのです。

 住育エンタテインメント「住まいダービー」の8月の設問では、住まいの図面記号についての10問を出題しています。今回の出題ではほかにもこんな図面記号が出てきます。

 10問の図面記号についての正解と解説は【住まいダービー】でご確認を。ぜひチャレンジしてみてください。