東京都は、2020 年東京五輪会場の整備に設計・施工一括発注(デザインビルド、DB)方式を導入する。都財務局は6月26日、「設計・施工一括発注方式の取扱いについて」と題する文書を公表し、想定するDBの基本的な考え方を提示した。具体的な適用物件は未定だ。

DB方式の実施フロー。基本設計の受注者は実施設計を受注できない(資料:東京都)
DB方式の実施フロー。基本設計の受注者は実施設計を受注できない(資料:東京都)

 DB方式を適用する案件では、基本設計をプロポーザル方式で建築設計事務所や建設コンサルタント会社などに委託。実施(詳細)設計と施工を一括して、建設会社などからなる建設共同企業体(JV)に発注する。基本設計では、施設に求める性能などの要求水準や受発注者間のリスク分担などを盛り込んだ発注資料を作成。案件ごとに実施要領を定めて、発注手続きに入る。

 DB方式は総合評価方式を採用する考えだ。実施(詳細)設計は、建設会社の設計部門などJVの構成員、あるいはJVと委託契約する設計協力会社が担うこととした。基本設計を担当した会社は、実施設計段階以降は発注者支援などを手掛ける「DBアドバイザリー業務」を担い、設計協力会社になることはできない。

 DBアドバイザリー業務の内容は、DBの発注手続き中の総合評価審査支援などの業務、DBの契約締結後の設計段階での設計内容の確認、施工段階での施工図や施工状況の確認などの業務とする。

 工事は、原則として異業種JVによる分担施工方式(乙型)で実施する。そのうえで、各業種内で共同施工方式(甲型)のJVを結成する形とする。

異業種JVのイメージ(資料:東京都)
異業種JVのイメージ(資料:東京都)