「恵みの森」をテーマとし、建物の内外に木材を多用したサービスエリアの休憩施設「Pasar(パサール)守谷」(茨城県守谷市大柏)が3月19日に開業した。NEXCO東日本(東日本高速道路)が常磐自動車道の谷和原IC・柏IC間にある守谷サービスエリアの上り線施設を建て替えたもの。災害時に防災拠点として使えるように計画されている点も注目されている。

南西から見たPasar守谷の外観(写真:日経アーキテクチュア)
南西から見たPasar守谷の外観(写真:日経アーキテクチュア)

 地上2階建て、延べ面積約2800m2で、構造は鉄骨造・一部木造。設計・監理は丹青社。2009年にコンペで選ばれた。

 設計を担当した同社CS事業部デザイン統括部の長谷川あみ湖氏は、設計コンセプトについてこう説明する。「上り線における守谷サービスエリアを、旅の終わりの“エピローグゲート”と位置付けた。旅のしめくくりにほっとひと息つき、地域の恵みを探索して、旅の思い出にひたれる場所となるよう、地域性を取り込んだデザインを提案した」

駐車場から見た全景(写真:日経アーキテクチュア)
駐車場から見た全景(写真:日経アーキテクチュア)

 木材を積極的に使用したことについては、「いにしえから緑豊かな大地に恵まれた“緑豊かなまち・守谷”という地域性を、デザインコンセプトとして明確に表現するため、木を多用した」と説明する。

外部に露出した4つまたの柱を北から見る(写真:日経アーキテクチュア)
外部に露出した4つまたの柱を北から見る(写真:日経アーキテクチュア)


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