ハイテク建築として不動の地位を築いたリチャード・ロジャース氏設計のロイズビル(竣工時名称「ロイズ・オブ・ロンドン」)。世界最大の保険組織、英ロイズ保険組合の本社ビルだ。1986年にロンドンの金融街シティーに竣工してから四半世紀が経ち、2010年ごろから修繕の要望が出てきた。
不景気の中でもシティーでは開発が進み、周囲には競合他社のテナントビルが増えた。同じくテナントを抱えるロイズは、ある種の危機感を持ち、この建物空間の質を改善する必要があると判断した。
内部空間を明るくするために自然光をもっと取り込みたい――。それが改修の大きなテーマだった。