日経BP社は2月5日、新たに創設した「ECHO CITY製品大賞」の受賞者の発表と贈賞式を開催した。大賞を受賞したのは、住江織物の水平リサイクルタイルカーペット ECOS(エコス)シリーズ。オフィスの床材として広く使われているタイルカーペットの再生材比率を最大77%まで高めた環境配慮型製品で、廃棄物処理会社と協力して使用済みタイルカーペットを回収・再利用する仕組みを構築した。工場内の生産設備をリサイクルに適した形に全面刷新することによって、従来製品と変わらない価格で供給している。

 ECHO CITY製品大賞は、都市や建築・住宅の未来を切り開く優れた建材・設備を表彰することで技術や産業の発展に寄与し、社会に貢献することを目的として、日経アーキテクチュアと日経ホームビルダーが2013年度から新たに創設したもの。2013年8月から9月にかけて、広く建材・設備メーカーから製品を公募し、84製品のエントリーがあった。これを受けて、2013年11月22日に建築家の隈研吾氏を委員長とする審査委員会を開き、大賞1点、特別賞5点を選定。その結果をこのたび発表した。

ECHO CITY製品大賞の審査委員会を代表して講評を述べる隈研吾・審査委員長(写真:都築雅人)
ECHO CITY製品大賞の審査委員会を代表して講評を述べる隈研吾・審査委員長(写真:都築雅人)

 製品大賞のほかにも、施工性や意匠性など特定の分野で高い評価を得た5製品に特別賞を授与した。受賞したのは、旭硝子の現場施工型後付けLow-Eガラス「アトッチ」、地盤ネットの「地盤安心住宅システム」、ニチハの窯業系外装材「オフセットサイディング」、LIXILの「SAMOS(サーモス)2」、YKKAPの「非溶接工法」の5製品だった。

 隈審査委員長は、ECOSを大賞に選んだ理由について「膨大な設備投資をして生産設備をリサイクル向けに刷新したことや、廃棄カーペットの運搬事業者がリサイクル工場に運べば埋め立て処分費用より安い価格で引き取る仕組みなど、生産システム全体を見直して取り組んだ点を評価した」と説明した。さらに「特別賞を受賞した5製品も、これまでの建築界の流れを変えるようなインパクトを与える製品ばかりだ。その着眼点の確かさや技術力の高さに触れ、日本の建材・設備メーカーの実力を非常に頼もしく思った」と感想を述べた。