サッカーのワールドカップ(W杯)が6月に始まるブラジルで、会場となる12競技場のうち、6カ所の工事が当初の完成予定としていた2013年12月末に間に合わなかった。
13年10月の記者会見で準備の遅れを問われた同国スポーツ省のアルド・レベロ大臣は、「花嫁が遅れたからといって、開かれなかった結婚式はない」と冗談交じりに答えた。しかし、国際サッカー連盟(FIFA)のゼップ・ブラッター会長は、「7年もの期間が与えられたにもかかわらず、準備を始めるのが遅すぎる」と同国政府を批判した。
完成を急ぐ競技場や周辺の建設現場では、これまでに少なくとも6人が死亡する事故が発生した。背景には、建設費の上昇や資金計画の見通しの甘さといった問題がある。20年の五輪開催を控え、これから工事が本格化する日本にとっても人ごとではない。