田町の車両基地……再開発して新駅も設置する構想

 品川駅の北側には、JR東日本が所有する約20ヘクタールの車両基地「東京総合車両センター田町センター」があり、同社では再開発の構想を温めている。

 現在、東海道線の東京行き電車は、折り返して横浜方面に向かうほか、田町センターに留置する運用もある。東北縦貫線を使った直通運転を始めた後は、田町センターに留置する電車の編成数を減らせる。結果として、敷地の一部を転用することが可能になる。

 車両基地を縮小して空いた敷地にビルなどを建設するほか、山手線と京浜東北線の新駅も設置する構想だ。新駅の設置場所は、都営地下鉄泉岳寺駅付近とみられる。

JR東日本の車両基地「東京総合車両センター田町センター」を田町側から品川方面に望む。敷地面積は約20ヘクタールと広大だ(写真:日経アーキテクチュア)
JR東日本の車両基地「東京総合車両センター田町センター」を田町側から品川方面に望む。敷地面積は約20ヘクタールと広大だ(写真:日経アーキテクチュア)

 品川駅自体の再開発も期待される。既に東側の港南口は、03年に東海道新幹線が停車するようになった頃から近代化が進んだ。一方、旧来の玄関口である西側の高輪口は、中低層の建物で構成されており土地の高度利用が進んでいない。さらに、山手線ホームと京急線ホームの間には、山手線用の留置線が5本分ある。こうした土地をオフィスや商業施設、宿泊施設などに充てることが可能だ。

品川駅西側の高輪口。背後に超高層ビルが立ち並ぶのが東側の港南口。両者を比べると高輪口は土地の高度利用が進んでいないことが分かる(写真:日経アーキテクチュア)
品川駅西側の高輪口。背後に超高層ビルが立ち並ぶのが東側の港南口。両者を比べると高輪口は土地の高度利用が進んでいないことが分かる(写真:日経アーキテクチュア)