「濃密な歴史を持つ風致地区になぜこのような巨大な施設をつくらなければならないのか」──。建築家の槇文彦氏が日本建築家協会(JIA)の会報「JIA MAGAZINE 295号(8月号)」に寄稿した文章が話題を呼んでいる。国立競技場に隣接する東京体育館の設計者である槇氏が新国立競技場の国際コンペに参加しなかった理由や、施設のプログラムに対する疑問を記した1万字を超える文章だ。槇氏の問題提起を受け、建築家の有志で構成する新国立競技場を考えるシンポジウム実行委員会は、10月11日に東京都新宿区の日本青年館中ホールでシンポジウム「新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える」を開催する。

  • 名 称:シンポジウム「新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える」
  • パネリスト:槇文彦、陣内秀信、宮台真司、古市徹雄(兼進行)
  • 日 時:2013年10月11日(金)18:00~20:00
  • 場 所:日本青年館中ホール(東京都新宿区霞ケ丘7-1)
  • 会 費:一般1000円、学生500円
  • 定 員:先着350人(定員を超えた場合は別室にてモニター上映の予定)
  • インターネット中継:当日、下記のURLにて中継の予定)
  • http://www.ustream.tv/channel/jia-kksk
  • 趣 旨:JIA MAGAZINE 295号に掲載された、槇文彦氏の「新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える」という論考を私たちは重要な問題提起として受け止めました。この問題をさらに深めたいと考え、シンポジウムを企画しまた。(主催者資料より)
  • 主 催:新国立競技場を考えるシンポジウム実行委員会
  • 発起人(あいうえお順):五十嵐太郎、伊東豊雄、乾久美子、宇野求、大野秀敏、北山恒、隈研吾、栗生明、小島一浩、小林正美、佐々木龍郎、陣内秀信、曽我部昌史、高見公雄、多羅尾直子、塚本由晴、富永譲、中沢新一、中村勉、南條洋雄、西田司、波部玲子、日色真帆、藤村龍至、古市徹雄、古谷誠章、堀啓二、松永安光、三井所清典、元倉眞琴、門内輝行、山本圭介、山本理顕、吉村靖孝
  • 事務局:新国立競技場を考えるシンポジウム実行委員会事務局(代表は元倉眞琴、電子メールはkokuritsu.wo.kangaeru@gmail.com

〈追加情報〉会場が日本青年館に変わり、定員が増えたこと、およびインターネット中継の実施について追記しました。(2013年9月30日 13時00分)

 以下に、シンポジウム開催のきっかけとなった槇文彦氏の文章を全文掲載する。東京開催が決定する前に発刊された「JIA MAGAZINE 295号」(8月号)から許可を得て転載した。併せて、同誌編集長である建築家の古市徹雄氏が槇氏に行ったインタビューも掲載する。