低降伏点鋼が揺れを吸収

 境界梁ダンパーとは、「LY225」と呼ぶ低降伏点鋼をウエブに使ったH形鋼の両端を、鉄筋コンクリートで巻き立てたもの。低降伏点鋼がせん断変形して、揺れのエネルギーを吸収する。

 設計と施工を手掛ける清水建設によると、同鋼材は1回の大地震と2回の中地震を繰り返し受けても交換の必要がないという。

免震と制振を組み合わせた構造。境界梁ダンパーは地下1階から地上33階まで、各階に6基ずつ設ける(資料:清水建設)
免震と制振を組み合わせた構造。境界梁ダンパーは地下1階から地上33階まで、各階に6基ずつ設ける(資料:清水建設)

H形鋼を挟んだ境界梁ダンパー。ウエブがせん断変形して揺れを吸収する(写真:清水建設)
H形鋼を挟んだ境界梁ダンパー。ウエブがせん断変形して揺れを吸収する(写真:清水建設)

免震装置の配置図。63基の鉛プラグ入り積層ゴムと、21基の天然ゴム系積層ゴムを設けた(資料:清水建設)
免震装置の配置図。63基の鉛プラグ入り積層ゴムと、21基の天然ゴム系積層ゴムを設けた(資料:清水建設)

 関東平野を襲う長周期地震動の周期は7~9秒。一方、スカイズタワー&ガーデンの固有周期は6.2~6.6秒に抑えた。清水建設は、揺れの継続時間が約20分にわたる長時間の応答解析を実施して、建物が共振しないことを確かめた。