清水建設は、トライスター型の建物向けに積層ゴムによる免震構造とダンパーによる制振構造とを組み合わせた「ハイブリッド免制震システム」を開発し、東京・豊洲で建設中の超高層マンション「スカイズタワー&ガーデン」に初めて採用した。

湾岸エリアで施工が進む超高層マンション「スカイズタワー&ガーデン」。竣工予定は2014年8月。13年6月に撮影した(写真:日経アーキテクチュア)
湾岸エリアで施工が進む超高層マンション「スカイズタワー&ガーデン」。竣工予定は2014年8月。13年6月に撮影した(写真:日経アーキテクチュア)

 トライスター型の建物とは、中央部のコアからY字状に3つの棟を伸ばしたもの。四角形の平面をした一般的なマンションと比べて、足元にまとまった空地を確保でき、多方向の眺望が楽しめるといった特徴がある。各住戸とコアに通したエレベーターとの距離も短くできる。

 半面、地震などの揺れによって建物が構造的にねじれやすい。そこで従来のトライスター型の建物は、躯体の外周に柱と梁を強固に組んで抵抗していた。

 スカイズタワー&ガーデンでは、地下2階の直下に84基の積層ゴムを配置。重さ約24万トンの建物を支える。さらに、建物中央のコアウオールと各棟の先端付近にある壁柱に、計204基の境界梁ダンパーを取り付ける。

完成予想図。地下2階、地上44階建てで総戸数は1110戸。三井不動産レジデンシャルと東京建物、三菱地所レジデンス、東急不動産、住友不動産、野村不動産の大手6社が販売する。運河を挟んだ対岸には、2020年東京五輪のバレーボールの競技施設などができる予定だ(資料:清水建設)
完成予想図。地下2階、地上44階建てで総戸数は1110戸。三井不動産レジデンシャルと東京建物、三菱地所レジデンス、東急不動産、住友不動産、野村不動産の大手6社が販売する。運河を挟んだ対岸には、2020年東京五輪のバレーボールの競技施設などができる予定だ(資料:清水建設)