進化する湾岸埋立地

 新設する競技会場は、臨海部に集中している。こうした施設は新たなレガシーを目指して計画した。臨海部で恒久施設となるオリンピックアクアティクスセンターは大会後に収容人数を2万人から5000人に、大井ホッケー競技場も同1万人から4000人に縮小する方針だ。維持管理費を抑えるための方策で、開催後も国内・国際大会に活用するほか、住民にも利用しやすくする。

大会期間中のイメージ。恒久施設となるオリンピックアクアティクスセンターと仮設のウォーターポロアリーナ(資料:東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会)
大会期間中のイメージ。恒久施設となるオリンピックアクアティクスセンターと仮設のウォーターポロアリーナ(資料:東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会)
大会終了後のイメージ。オリンピックアクアティクスセンターは、収容可能人数を2万人から5000人に縮小する(資料:東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会)
大会終了後のイメージ。オリンピックアクアティクスセンターは、収容可能人数を2万人から5000人に縮小する(資料:東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会)

 臨海部には都市公園なども整備する。2016年には88ヘクタールに及ぶ「海の森」が概成する予定だ。大会後、この湾岸エリアはスポーツの一大拠点となる。

海の森水上競技場のイメージ。ボート、カヌーの会場だ。大会後もこのまま残し、都民の憩いの場とする計画だ(資料:東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会)
海の森水上競技場のイメージ。ボート、カヌーの会場だ。大会後もこのまま残し、都民の憩いの場とする計画だ(資料:東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会)

 選手村は晴海ふ頭に建設される。民間事業者が参画して開発が進められる予定だ。工事費1057億円を想定している。選手村の施設は、大会後に住宅に改装される。選手村の一部は、国際交流プラザとして利用する。国内外の文化、スポーツ、教育関連の機関が拠点を置くことを検討している。

選手村のイメージ(資料:東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会)
選手村のイメージ(資料:東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会)

 1986年に作成された第2次東京都長期計画で、臨海副都心は7番目の副都心と位置付けられた。その後、1996年の開催を目指した世界都市博覧会が中止され、開発プロジェクトは頓挫した。都は、東京五輪を起爆剤に、臨海部を未来の東京を象徴するエリアに変貌させる青写真を描く。