鹿島と三井不動産は、超高層ビルの屋上に巨大な重りの付いた振り子を載せて、長周期地震動などの揺れを半減する制振技術を実用化した。三井不動産が運営する東京都新宿区の新宿三井ビルディングに初採用する。
55階建ての同ビルの屋上に、建物総重量の約3%に当たる計1800tの重りを載せる。鉄骨のやぐらを6基組み立てて、それぞれに300tの重りを長さ8mの鋼製のケーブルで吊るす。
重りの最大振幅は約2mで、全方向に自由に動けるようにする。重りの周囲にはオイルダンパーを取り付けて、設計以上の大地震が発生したときは、重りをスムーズに減速させ、過大な変形や損傷を防ぐ。
既存の建物の柱や梁を補強する必要はほとんどない。屋上とやぐらとの間に梁を新設して、重りの荷重がビルの柱に直接伝わるようにする。