タワークレーンで吊り下げたホッパーから、Fc200のコンクリートを打設する様子。加熱・保温養生するため、鋼製の埋設型枠の外周に厚さ15cmの発泡スチロールの断熱材などを巻いている(写真:日経アーキテクチュア)
タワークレーンで吊り下げたホッパーから、Fc200のコンクリートを打設する様子。加熱・保温養生するため、鋼製の埋設型枠の外周に厚さ15cmの発泡スチロールの断熱材などを巻いている(写真:日経アーキテクチュア)

 戸田建設は7月4日、設計基準強度が200N/mm2(Fc200)の超高強度コンクリートを、55階建て超高層マンションの1階の柱に打設した。同社によると「地震時に大きな力が加わる超高層の地上部分にFc200を使った例はこれまでになかった。現場打ち込みとしても国内初だ」という。

 Fc200のコンクリートは、サイコロ大の1cm四方の面積で約2トンの重さに耐えられる。

 Fc200を採用したのは、東京都新宿区で施工する西富久地区第一種市街地再開発事業。鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造で高さ180mの超高層マンションのうち、最も大きな力を受ける1階のコア回りにある4本の柱に使った。

 柱の断面は1.2m角で、高さは2.8m。Fc200を使うことで、Fc150以下の周囲の柱と同じ寸法にそろえた。現場打ちにすることで、プレキャスト部材では継手が難しくなるような場所にも適用できる利点がある。

コンクリートの打ち込み状況。放熱を防ぐため、柱の上部に突き出した鉄筋も保温材でくるむ(写真:戸田建設)
コンクリートの打ち込み状況。放熱を防ぐため、柱の上部に突き出した鉄筋も保温材でくるむ(写真:戸田建設)

発泡スチロールの断熱材などで覆った柱の表面(写真:日経アーキテクチュア)
発泡スチロールの断熱材などで覆った柱の表面(写真:日経アーキテクチュア)