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東京駅の謎が解けた? 武雄温泉楼門を保存修理

2013/08/01

 7月14日、佐賀県武雄市にある温泉街のメーンゲート。竜宮城を思わせる木造2階建て建物の保存修理工事の現場に、多数の見学者が訪れた。

 改修中の建物は、国指定重要文化財の「武雄温泉楼門」。大正4年(1915年)竣工のこの建物の設計者は、日本の近代建築の礎を築いた辰野金吾(1854~1919年)である。昨年、復元工事を終えたばかりの辰野設計による東京駅(中央停車場)の竣工は武雄温泉楼門の前年の大正3年である。辰野の晩年の作品が、図らずも同時期に保存修復されることとなった。

 武雄温泉楼門は、木造2階建ての門に北翼屋(土産屋)と南翼屋(食堂)を増築した建物で、まもなく築後100年を迎える。楼門を所有するのは、武雄温泉を営業する武雄温泉(株)である。数十年ごとに修理を繰り返して、現在まで守ってきた。

 2005年に国の重要文化財に指定されたことにより、保存修理工事に行政(国・県・市)の補助金を活用できることになった。そのため今回の保存修理工事は、これまで実施してきた塗装の塗り直しなど小手先の改修工事とは異なり、耐震補強工事を含む本格的な内容となっている。

 保存修理工事の発注者は武雄温泉(株)である。指導を文化庁、佐賀県、武雄市が行い、設計・監理を文化財建造物保存技術協会、施工を清水建設が担当している。工事を進めるなかで経年の破損が大きいことが明らかになり、補修範囲が拡大した。これによって、工事の仕様変更や期間延長が行われ、費用についても当初見積もりよりも大幅に増額する見込みだという。

 工事は1月に始めて、4月までに古い塗装をかき落とし、袴腰(はかまごし=楼門1階の白壁)や破損した木材を取り除いた。5月から塗装を塗り直し、雨漏りやシロアリで腐朽した木部については新たな部材で元通りに戻す。さらに構造診断を行い、耐震補強工事も実施。屋根もふき替える。

保存修理工事に着手。足場を組み立てているところ(写真:文化財建造物保存技術協会)

従前の塗装のかき落とし作業(写真:文化財建造物保存技術協会)

楼門2階の塗装を落とし終わったところ(写真:文化財建造物保存技術協会)

袴腰を塗り替えるためモルタル・しっくいを全て落とした(写真:文化財建造物保存技術協会)

袴腰下地の木材は雨漏りによって腐朽していた(写真:文化財建造物保存技術協会)

袴腰通路西側の桁はシロアリの被害を受けていた(写真:文化財建造物保存技術協会)

地震に備えて屋根瓦下地の土を取り除き、屋根を軽くした(写真:文化財建造物保存技術協会)

屋根に乗っていたしゃちほこも傷んだ部分を補修(写真:文化財建造物保存技術協会)

割れていない瓦は丁寧に水洗いして再利用する(写真:清水建設)

北翼屋の壁板の下から大正時代の当初の塗装が残る組み物が発見される(写真:文化財建造物保存技術協会)

発見された当初の塗装と同じ色になるよう検討を重ねた(写真:文化財建造物保存技術協会)

6月から塗り替え作業を始めた(写真:文化財建造物保存技術協会)

楼門2階の塗装を塗り終えた(写真:文化財建造物保存技術協会)

平行して建具の塗装も行う(写真:文化財建造物保存技術協会)

村島 正彦=ライター日経アーキテクチュア

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