大屋根の斜め柱を3次元座標で位置決め
大屋根は幅方向平面的にテーパーが付いており、立面的には膜屋根先端部の高さが山なりに変化する3次元曲面が特徴的だ。さらに下から見ると1枚の布に見えるよう鉄骨の下に膜を張ることがデザイン上重要で、施工技術上工夫を要するところだ。
鉄骨より下の躯体を構築、駅側の片持ち柱の鉄骨を建てた後、ステージを全面に架ける。膜の張り込みにも使うためだ。そして広場側の頬杖になる斜めの柱をワイヤの控えで自立させ、通りによって位置の違う正規の柱頭位置に三次元測量を使って正確に持っていく。
この上に大梁をセットする。長いものは約35mにまでなるので2分割、3分割になったものは下部に構台を組んで設置し、現場で溶接してつなぐ。夜間に駅前広場から荷取る建て方作業なので、うまく組み上がらないといったことが起こらないように、工場で仮組みまでしてから現場に搬入している。
屋根鉄骨の先端と後端の構造部材は、古い鉄道レールを再利用した鋳鋼が使われている。