フランス・パリ郊外のセガン島に建設予定の複合音楽ホール、「シテ・ミュージカル」の設計コンペで、日本の建築家・坂茂氏が当選した。2016年6月竣工、同年10月の一般公開を目指す。建設予算は1億7700万ユーロ(約230億円)。

坂茂氏が提案した「シテ・ミュージカル」全景(資料:Shigeru Ban Architects Europe)
坂茂氏が提案した「シテ・ミュージカル」全景(資料:Shigeru Ban Architects Europe)

 建設地のセガン島はセーヌ川の中州で、かつて自動車メーカー、ルノーの工場が島全域を覆っていた。ルノーの工場は1992年に閉鎖され、跡地利用は長くパリ市民の関心事となっていた。1999年に建築家、安藤忠雄氏の設計によるピノー財団の現代美術館の計画が公表されたが、その計画は2005年にピノー氏本人により取り下げられた。

 その後、建築家のジャン・ヌーべル氏をコンサルタントとして迎え、2010年6月にPFI手法(民間投資公共事業)による共同開発計画が発表された。「シテ・ミュージカル」はその一部で、コンペではパリの西のゲートにふさわしいモニュメンタルな建築物が求められた。

施設の一部は緑化して公園とする(資料:Shigeru Ban Architects Europe)
施設の一部は緑化して公園とする(資料:Shigeru Ban Architects Europe)