奈良工場第一工場の完成予想図
奈良工場第一工場の完成予想図

 2013年12月の稼働を目指して建て替え工事が進んでいる大和ハウス工業の奈良工場第一工場は、省エネルギーと、自然エネルギーの徹底活用にこだわる次世代環境工場を目指している。太陽電池だけでも、全量売電を目指すメガソーラー(大規模太陽光発電)事業向けや、太陽を自動追尾する最新タイプ、リチウム(Li)イオン2次電池と組み合わせたタイプなど3種類を設置する。

 空調でも、「気化熱を利用した涼風装置」や、人が活動する高さ2m以下のスペースのみを空調する「置換空調」、冬場の乾燥を抑える「デシカント空調」に加え、自然の風を利用する「風の道」、熱を遮断して空調の負担を抑えながら自然光を利用して照明の消費電力を抑える「越屋根」などを導入する計画。いわば環境関連設備をフル装備した工場である。

 同社がここまで徹底するのは、工場を丸ごとショールームにしようと考えているからだ。それも工場を売るためのショールームである。同社の主力事業は、戸建てプレハブ住宅の販売/建設だが、一方で工場や商業/物流施設の設計/施工を請け負う事業も手掛ける。「自社工場を持ちながら、他社の工場建設を請け負うのは当社ぐらいのものだ」(同社建築事業推進部企画開発室環境技術グループグループ長の山中裕二氏)。

 工場の設計/施工事業ではゼネコンと競合するが、建設業であるゼネコンは自社工場を持たない。自社工場を持つ強みを生かし、同社は今回建て替える自社工場を次世代工場のショールームにしようというのだ。顧客対応力を大幅に強化することが狙いである。

 大和ハウス工業が進めている次世代工場への取り組みについては、2013年7月26日に日経ものづくりが開催するセミナー「スゴい最先端工場」(関連URL)で、同社 建築事業推進部 企画開発部 環境技術グループ グループ長の山中 裕二氏が講演する。