「慣れ親しんだスタイルに引きこむ」
喜田所長は「とてもユニークな建物で、施工面で参考になるような事例はなかった。そういう場合は、自分の土俵に引き込むしかない。逆V字形の地組みも六角形の分割も、自分が慣れ親しんだスタイルに近づけるという点で一致している」と話す。
四角形に分割した管理法で内側から鉄骨を組み上げ、逆V字型のPCa柱を建てる。PCa柱の継ぎ目を溶接してアウトフレームを一体化し、内側の鉄骨とアウトフレームの間に梁を渡す。厳しい精度管理に対して大成建設が採った手順は、スタンダードへの回帰とも言えるものだった。