東日本大震災の津波被害で休止しているJR女川駅の新駅舎と、駅前に整備するプロムナードのイメージについて説明する会が5月25日に宮城県女川町総合体育館で行われ、提案者で建築家の坂茂氏が模型を使いながら住民に説明した。坂氏は2011年11月、女川町にコンテナを使った3階建ての仮設住宅を完成させている。

坂茂氏が示した新女川駅舎の外観パース(資料:女川町)
坂茂氏が示した新女川駅舎の外観パース(資料:女川町)

 新駅舎は旧駅舎よりも約150m内陸に移設して建設する。女川町とJR東日本は今年2月1日、駅舎や不通区間の線路の再建を官民一体となって進めることで覚え書きを取り交わした。駅舎は公共施設を複合したものになる。完成は2014年度末の予定。

 女川町復興推進課によると、坂茂氏はコンテナ仮設住宅を設計した縁で以前から町に新駅舎を提案しており、昨年度行われた基本計画策定のためのJR東日本との協議にも参加した。今回はその過程でまとめたイメージを住民に説明した。

 坂氏が説明会で示した新駅舎の案は、木造・地上3階建てで、平面形は「鳥が羽ばたく姿」をイメージしている。

駅舎(左)と駅前プロムナード(右)の配置図(資料:女川町)
駅舎(左)と駅前プロムナード(右)の配置図(資料:女川町)

 地元の木材を多用し、外から見ても木を使っていることが分かるようにする。1階が駅施設で、2階には温泉施設、3階には展望スペースを設ける。