ロンドン・サザーク地区。80年代以降、再開発が進み、何かと話題の多いエリアである。その中のロンドン・ブリッジ駅近傍に、ピラミッド型のガラスのタワーが建った。建物自体は随分前に上棟しており、昨年のロンドン・オリンピックの際にも何度もテレビに映っていたのでお気づきになった方も多いことだろう。

テムズ川を挟んで対岸に、ザ・シャードを望む。手前はタワー・ブリッジ。中間のいくつかの層には、ウインターガーデンと呼ばれる庭園スペースがある(写真:Arup)
テムズ川を挟んで対岸に、ザ・シャードを望む。手前はタワー・ブリッジ。中間のいくつかの層には、ウインターガーデンと呼ばれる庭園スペースがある(写真:Arup)

高さ310m、西ヨーロッパ最高の摩天楼

 ロンドンの街の印象とは少々異なる、幾何学形状かつ光を反射する外皮――。「ザ・シャード(破片)」と名付けられたタワーは、レンゾ・ピアノ氏の設計である。高さ310m、西ヨーロッパで最も高いビルとなった。タワーの低層部には商業施設、その上に25層のオフィス、3層のレストラン街、17層のホテル、さらに高級住宅と展望ギャラリーが重なっている。延べ面積は約12万7000m2。グランドオープンはもう少し先だが、先行して展望ギャラリーが今年の2月にオープンを迎えた。

ザ・シャード(破片)という名称を象徴する、15層の鋭い尖塔部分が輝く。見る角度によって、建物形状も少しずつ違って見える(写真:Arup)
ザ・シャード(破片)という名称を象徴する、15層の鋭い尖塔部分が輝く。見る角度によって、建物形状も少しずつ違って見える(写真:Arup)