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伊東豊雄氏にプリツカー賞、「革新的な建築を実現」

2013/03/19

伊東氏のプリツカー賞受賞を発表するハイアット財団のウェブサイト(資料:ハイアット財団)

 プリツカー賞を主宰する米ハイアット財団は3月17日(日本時間18日)、2013年の同賞を伊東豊雄氏に授与すると発表した。日本人としては1987年の丹下健三氏、93年の槇文彦氏、95年の安藤忠雄氏、2010年の妹島和世と西沢立衛の両氏に続く6人目となる。

 審査委員長を務めた英国のピーター・パルンボ卿は、受賞理由を以下のように述べている。「伊東氏は一貫して革新的な建築概念を卓越した設計技法で表現してきた。40年以上にわたって世に送り出している作品は、図書館や住宅、公園、劇場、店舗、オフィスビル、パビリオンなど多岐にわたる。その1つひとつにおいて、建築の可能性を広げようとする姿勢を決して忘れない。それぞれのプロジェクトに内在する無限の可能性の発見に常に没頭してきた真のプロフェッショナルである」

 伊東氏は、東日本大震災で被災した人々のための小規模共同施設「みんなの家」を岩手県陸前高田市などに建設した。こうした活動は、建築家としての社会的責任を直接的に体現したプロジェクトとして評価された。

 伊東氏は1941年、京城市(現ソウル市)生まれ。65年に東京大学工学部建築学科を卒業後、菊竹清訓建築設計事務所に勤務。71年に独立してアーバンロボットを設立、79年に事務所名を伊東豊雄建築設計事務所に改めた。

 国内の代表作として「せんだいメディアテーク」(仙台市)などがある。02年にベネチアビエンナーレの金獅子賞、06年に王立英国建築家協会のゴールドメダル、10年に高松宮殿下記念世界文化賞などを受賞した。

 プリツカー賞受賞の報を受けて伊東氏は、ハイアット財団を通じて以下のようにコメントした。「建築は様々な社会的制約に縛られている。その不自由さから少しでも解放されると、もっと居心地の良い建築ができると考えてつくり続けてきた。しかし、1つの作品が完成すると自分の至らなさを痛感し、次のプロジェクトに挑戦するエネルギーとなる。だから今後も自分の建築スタイルを固定することもないし、作品に満足することもないだろう」

 プリツカー賞は79年、ハイアットホテルを世界各地に展開する米国の実業家、ジェイ・プリツカー氏によって設けられた。同氏がホテルを手掛けるなかで建築への造詣を深めたことや、ノーベル賞に建築分野が存在しないことが設立の動機となった。現在では、王立英国建築家協会や米国建築家協会のゴールドメダルなどと並び、建築界で最も権威のある賞の1つとなっている。

 プリツカー賞の選考過程はノーベル賞にならっており、各国の建築家などで構成する審査委員会が非公開で審査や投票を実施する。ハイアット財団によると、毎年数百人が候補者として挙がるという。

 授賞式は5月29日、米国ボストン市にあるジョン・F・ケネディ大統領図書館・博物館で開かれる。伊東氏には10万ドル(約950万円)とブロンズメダルが授与される。

瀬川 滋日経アーキテクチュア

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