東京・霞が関の官庁街近くのオフィス街、虎ノ門地区で進む「環状第二号線新橋・虎ノ門地区第二種市街地再開発事業III街区」。建設中の超高層ビルの名称が「虎ノ門ヒルズ」に決まった。東京都が施行し、森ビルが特定建築者となって進める注目プロジェクトで、2014年に開業する予定。都は新橋・虎ノ門地区を国際競争力の強化に取り組む「アジアヘッドクオーター特区」と位置づけており、虎ノ門ヒルズはその中核施設となる。

新橋側から見た「虎ノ門ヒルズ」。超高層ビルの建設と同時に、都道・環状2号線の建設が進む。2月22日に撮影(写真:森ビル)
新橋側から見た「虎ノ門ヒルズ」。超高層ビルの建設と同時に、都道・環状2号線の建設が進む。2月22日に撮影(写真:森ビル)

 虎ノ門ヒルズは、ホテル、住宅、オフィス、カンファレンス施設、店舗などが入る超高層複合施設。森ビルが、都市づくりの理念に掲げる「ヴァーティカル・ガーデン・シティ(立体緑園都市) 」を体現したビルだ。高さ247m、地下5階・地上52階建てで、延べ面積24万4360m2。都内では六本木の「東京ミッドタウン」の248mに次ぐ高さとなる。地上部には、約6000m2のオープンスペースを整備する。3月1日配信の「【スゴイ現場】道路と超高層が摩擦で『密着』」で紹介したように、立体道路制度を活用し、超高層ビルの地下を道路トンネルが貫通する。

 3月1日、虎ノ門ヒルズの上棟式が開かれ、超高層ビル最上部に設置する鉄骨梁をクレーンで引き上げる作業が行われた。挨拶した森ビルの辻慎吾社長は「都市インフラと建物を一体的に再開発で整備する手法は、都心の貴重な土地を有効活用する画期的なモデルとして、今後の東京の再生に大きなインパクトを与える」と語り、「エリア全体の価値を高め、地元の方々とテナント企業が共に繁栄できるようエリアマネジメント事業に積極的に取り組む」と意気込んだ。

3月1日に開かれた上棟式。プロジェクト関係者が署名した梁をクレーンで持ち上げる様子(写真:ケンプラッツ)
3月1日に開かれた上棟式。プロジェクト関係者が署名した梁をクレーンで持ち上げる様子(写真:ケンプラッツ)

 上棟式の後、建設中の超高層ビル内部が一部、報道機関向けに公開された。次から見ていこう。

森ビルの担当者が、虎ノ門ヒルズの模型を前に施設の概要を説明する様子(写真:ケンプラッツ)
森ビルの担当者が、虎ノ門ヒルズの模型を前に施設の概要を説明する様子(写真:ケンプラッツ)