スイスの北西部、ビール(ビエンヌ)にあるスウォッチおよびオメガの本社キャンパスの拡張計画である。スウォッチの新本社とオメガの生産施設、オフィス、ミュージアム、カンファレンスホールなどが入る。東京・銀座のニコラス・G・ハイエック センターを設計した縁で、指名コンペの参加依頼があり、設計者に選ばれた。完成は2015年ごろの予定だ。

公道をまたぐスウォッチ・オメガ新本社のパース。左側がスウォッチの本社で、右側がスウォッチ・オメガ・ミュージアム。公道の上を巨大な木造のグリッドシェル屋根が覆う(資料:坂茂建築設計)
公道をまたぐスウォッチ・オメガ新本社のパース。左側がスウォッチの本社で、右側がスウォッチ・オメガ・ミュージアム。公道の上を巨大な木造のグリッドシェル屋根が覆う(資料:坂茂建築設計)

 スウォッチの時計はファッショナブルで、オメガの時計は堅いイメージがあるため、スウォッチの建物は木のシェルが覆う有機的な形に、オメガの建物は木造の柱梁を水平垂直に配したカチッとした外観にして、建物の形態でそれぞれの会社の社風を表した。

全体模型。木造のシェル屋根の建物をうねるように配置した(資料:坂茂建築設計)
全体模型。木造のシェル屋根の建物をうねるように配置した(資料:坂茂建築設計)