新国立競技場の国際コンペについて説明する審査委員長の安藤忠雄氏(写真:日経アーキテクチュア)
新国立競技場の国際コンペについて説明する審査委員長の安藤忠雄氏(写真:日経アーキテクチュア)
コンペの告知発表会は国立競技場の観客席スタンド下にある屋内練習場で開かれた(写真:日経アーキテクチュア)
コンペの告知発表会は国立競技場の観客席スタンド下にある屋内練習場で開かれた(写真:日経アーキテクチュア)
東側から見た現在の国立競技場(写真:日本スポーツ振興センター)
東側から見た現在の国立競技場(写真:日本スポーツ振興センター)

 開閉式の屋根を備え、大規模な国際大会のほかコンサートなども開ける8万人収容の新国立競技場を建設する――。

 東京都が招致を目指す2020年夏季五輪でメーンスタジアムとして位置付ける国立競技場の建て替え計画について、基本構想案を募集する国際コンペの要項が明らかになった。審査委員長は建築家の安藤忠雄氏が務める。競技場を運営する独立行政法人の日本スポーツ振興センターが7月20日に発表した。

 新競技場は、東京都新宿区霞ヶ丘町にある現在の国立競技場を解体した跡地につくる。観客席の収容人数を今の約5万4000人から8万人規模へと大幅に増やす。延べ面積は駐車場などを含めて約29万m2を予定する。

 観客席が広がるため、敷地面積も拡張。現在の約7万2000m2から約11万3000m2に増やす。競技場の南側に隣接する日本青年館を取り壊すほか、南側と西側に広がる都立明治公園も新競技場の敷地に充てる。総工事費は解体費を除いて1300億円程度を見込む。

 新競技場にはラグビーやサッカー、陸上競技の大規模な国際大会が実施できる最高水準の機能を求める。例えば、現在8レーンある陸上用トラックを国際規格の9レーンに増やすことなどを想定する。

 さらに、コンサートや展覧会、ファッションショーなどのイベントが実施できる機能も持たせる。開閉式の屋根を設けて、大会やイベントが天候に影響されず開催できるようにする。芝生の育成に必要な太陽光や風、水、温度を調整できる環境も求める。