都心の高層階の揺れ、新宿と湾岸で大きな違い

2012/02/21

長周期地震動
気象庁
超高層
工学院大学
東日本大震災
調査
地震
特集:東日本大震災

 「はいつくばった」「物につかまっても立っていられない」──東日本大震災で震源から約400km離れた東京都内のある高層ビルでは、20階以上にいた人の半数がこう答えた。2月14日に開催された、気象庁の「長周期地震動に関する情報のあり方検討会」(座長:翠川三郎・東京工業大学大学院教授)で明らかになった調査結果だ。東日本大震災の際、地上29階建ての工学院大学新宿キャンパスなど、4つの高層ビルに居合わせた計800人を対象に、気象庁がアンケートを実施した。

東京湾岸の高層ビルで、発災時に「どの程度行動が困難だったか」の調査結果。20階以上の高層階では、「はいつくばった」「物につかまっても立っていられない」が半数以上を占めた(資料:気象庁)
東京湾岸の高層ビルで、発災時に「どの程度行動が困難だったか」の調査結果。20階以上の高層階では、「はいつくばった」「物につかまっても立っていられない」が半数以上を占めた(資料:気象庁)
高さ約143mの工学院大学新宿キャンパスでの結果。20階以上では「はいつくばった」「物につかまっても立っていられない」が約4分の1を占める(資料:気象庁)
高さ約143mの工学院大学新宿キャンパスでの結果。20階以上では「はいつくばった」「物につかまっても立っていられない」が約4分の1を占める(資料:気象庁)

 東京湾岸の高層ビルでは、20階以上にいた人のうち、「はいつくばった」が30%弱、「物につかまっても立っていられない」が20%強と、計50%以上が立つのが困難だったと回答した。一方、工学院大学の高層部では、「はいつくばった」が約15%、「立っていられない」が約10%と差が出た。両建物とも固有周期は約3秒だが、地盤の状況は異なる。工学院大学は武蔵野台地の安定した地盤の上に立地するが、東京湾岸は一般的に軟弱地盤が多い。

本棚など背の高い什器がどうなったか。東京湾岸の高層ビルでは、高層階で8割以上が「ほとんど倒れた」「倒れた物があった」と回答した(資料:気象庁)
本棚など背の高い什器がどうなったか。東京湾岸の高層ビルでは、高層階で8割以上が「ほとんど倒れた」「倒れた物があった」と回答した(資料:気象庁)
工学院大学新宿キャンパスでは、本棚などの什器について、約3割が「ほとんど倒れた」「倒れた物があった」と回答(資料:気象庁)
工学院大学新宿キャンパスでは、本棚などの什器について、約3割が「ほとんど倒れた」「倒れた物があった」と回答(資料:気象庁)

 同検討会は2012年3月までに、適切な長周期地震動の情報提供方法に関して提言をまとめる。気象庁は13年度中に分析手法の詳細などを検討し、同年度末をめどに長周期地震動の予報情報の提供を開始する予定だ。

樋口 智幸日経アーキテクチュア

●日経アーキテクチュア・プレミアムが始動 [トップ][申し込み]

読者のコメント (1 件)  ※[ログイン]すると全文表示、投稿・投票ができます
多摩川沿いの免震ビルでは、キャスター付事務椅子に座っていて足で踏ん張りきれず滑走したそうです。
(2012/02/23 08:36)

 このコメントが 参考になった:3 参考にならなかった:5
読者の評価
この記事を:
  (100%)
  (0%)
  (0%)
内容は:
  (61%)
  (38%)
  (0%)
コメントの投稿

ログインするとコメント投稿画面を表示します。非会員の方は、右記の「ご意見投稿フォーム」からコメントを投稿できます。 →ご意見投稿フォーム

ログイン 会員登録


<<コメントに関するご注意>>

  • 投稿されたコメントは査読のうえ公開します。コメント末尾の日時は投稿時点のものです。用字用語などは当社規定に沿って変更、明らかな間違いや不適切な表現は原文の意図を損なわない範囲で変更します。不適切と判断したコメントは公開しません。公開後の修正・削除もあります。個人情報の入力はご遠慮ください。
  • コメントは本サイトや当社媒体に転載する場合があります。その際、読者から寄せられたことを明示します。
  • 記事への質問は問い合わせフォームをご利用ください。コメント欄に投稿いただきましても回答できません。
  • 投稿の内容について当社は信頼性や適法性を保証しません。トラブルが発生しても責任を負えません。
はてなブックマーク お気に入りに追加 印刷 RSS 文字サイズを小さく 文字サイズを大きく

アクセスランキング(建築・住宅発)

総合トップ建築・住宅土木不動産建設ITNEXT-K会員登録・変更

日経アーキテクチュア日経ホームビルダー日経コンストラクション日経不動産マーケット情報雑誌・書籍・セミナー

ケンプラッツについて推奨環境広告掲載プレスリリース送付RSSについて問い合わせ