行き過ぎた節電・減灯を正す

東京から考える“ポジティブ節電” 第3回

2012/02/13

照明
節電
東日本大震災
調査
消灯
特集:東日本大震災

 ライティングプランナーズアソシエーツ(以下、LPA。代表:面出薫氏、本社:東京都渋谷区)と東京大学大学院工学系研究科建築学専攻・平手研究室は、東日本大震災から約3カ月後の2011年6月下旬に、「節電光環境実測&アンケート調査」を実施した。震災後の節電による照明の減灯状況と、節電下の照明環境について人々がどう感じたかについて、都内24カ所で調査を行った。本連載「東京から考える“ポジティブ節電”」の第3回は、過剰な消灯で暗さが生じた個所の分析と、生じた理由についての考察だ。

 第2回で触れたように、調査した都内24カ所は「明るさは問題ない」とする回答が多かった。ただし、中には、暗過ぎる場所も見受けられた。これらの場所では機能的に必要であるはずの照明までもが消されて、障害物が見えにくくなっていたり、暗がりができて利用者に不安を感じさせるなどの問題が生じていた。また、空間全体では明るいにもかかわらず、明かりの消し方が場所によって偏っているために暗がりができ、局所的に問題が発生している場所もあった。

 突然の減灯から3カ月が経った当調査の時点(2011年6月27日、28日)では、真っ暗な場所はずいぶん減ったが、改善の必要がある場所も多く残っていた。「新宿駅南口地下歩道・東側」「東京駅・北通路」「銀座・中央通り」などだ。

新宿駅東南口地下歩道・東側。点灯している器具が極端に少なく、広範囲に暗がりが生じた。撮影2011年6月20日(資料提供:LPA+東京大学・平手研究室)
新宿駅東南口地下歩道・東側。点灯している器具が極端に少なく、広範囲に暗がりが生じた。撮影2011年6月20日(資料提供:LPA+東京大学・平手研究室)

東京駅・北通路。全体としては十分に明るいが、写真奥の天井の低い部分に設置された照明器具はすべて消灯され、局所的に暗がりができている。撮影2011年6月24日(資料提供:LPA+東京大学・平手研究室)
東京駅・北通路。全体としては十分に明るいが、写真奥の天井の低い部分に設置された照明器具はすべて消灯され、局所的に暗がりができている。撮影2011年6月24日(資料提供:LPA+東京大学・平手研究室)

写真上:2011年4月5日の銀座・中央通り。歩行に必要な照明が消灯され危険が生じる恐れがあるうえ、ファサードの光が全くなく銀座らしい街の特徴が消えている。写真下:2011年6月23日の時点では歩道灯と路面店の照明により歩道の暗がりは解消されていた。車道灯はまだ点灯していなかったがファサードも一部点灯して賑わいが戻りはじめていた(資料提供:LPA+東京大学・平手研究室)
写真上:2011年4月5日の銀座・中央通り。歩行に必要な照明が消灯され危険が生じる恐れがあるうえ、ファサードの光が全くなく銀座らしい街の特徴が消えている。写真下:2011年6月23日の時点では歩道灯と路面店の照明により歩道の暗がりは解消されていた。車道灯はまだ点灯していなかったがファサードも一部点灯して賑わいが戻りはじめていた(資料提供:LPA+東京大学・平手研究室)

青山学院大学前の歩道:減灯に加え、街路樹が光を阻み光環境が悪化


構成:介川亜紀=フリーライターケンプラッツ

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読者のコメント (1 件)  ※[ログイン]すると全文表示、投稿・投票ができます
街路灯まで全部消灯してしまっている区画というのは震災直後に確かに多く見られ、懐中電灯でも用意しなければ歩くのにも不便な状態でした。今でも家の近所では一部を消灯しているところもあります。
これは緊急節電対策という過去に無い事態に対応する為やむを得ずといった所なのでしょうが、明確な基準作りが無いが為に安全性・利便性を考えずにとにかく消してしまえという雰囲気の中でやってしまったのでしょう。結果として極端に暗い夜道が出来、治安にも不安を覚えるほどになってしまいました。
自治体等でも対応は進んでいるとは思いますが、今後そういった地方自治体レベルでの取り組みなどを記事に取り上げて頂くと、緊急時の照明環境の考え方等が全国的に波及していくのでは無いでしょうか。
(yamamoto 2012/02/13 13:03)

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