専門分野が違えば、必要とする資格も異なると考えがち。ところが、土木分野で取得意欲が高い技術士やコンクリート診断士は、建築・住宅分野でも注目されている――。ケンプラッツ読者を対象にした資格実態調査で「取得したい資格」を尋ねて明らかになった結果だ。土木と建築・住宅を合わせた全体ランキングのトップは技術士(建設部門)、2位が技術士(総合技術監理部門)、3位がコンクリート診断士だった。

「取得したい資格」上位10種。トップが技術士(建設部門)で212、2位が技術士(総合技術監理部門)で198、3位がコンクリート診断士で165だった。いずれも土木分野で人気がある資格で、建築・住宅分野でも取得したいという声が多い資格だ(資料:ケンプラッツ)
「取得したい資格」上位10種。トップが技術士(建設部門)で212、2位が技術士(総合技術監理部門)で198、3位がコンクリート診断士で165だった。いずれも土木分野で人気がある資格で、建築・住宅分野でも取得したいという声が多い資格だ(資料:ケンプラッツ)

 調査は2011年12月7日から21日まで実施して、ケンプラッツの読者724人から回答を得た。専門分野の内訳は、「建築・住宅」と答えた回答が435、「土木」が289だった。

 専門分野別に見ると、土木分野では全体ランキングでも上位を占めた3種の資格が上位に入った。技術士(総合技術監理部門)が153で1位、2位が技術士(建設部門)で133、3位がコンクリート診断士で104だ。

 土木分野の回答289に占める割合は、技術士(総合技術監理部門)が153で5割に及ぶ。2位の技術士(建設部門)で4割、3位のコンクリート診断士でも3割を超す。4位のコンクリート主任技士は、30と大幅に減るため1割にとどまる。

土木分野の実務者が「取得したい資格」上位10種。トップは技術士(総合技術監理部門)で153、2位が技術士(建設部門)で133、3位がコンクリート診断士で104と、この3つの資格に集中した。以下、コンクリート主任技士39、労働安全コンサルタント31、宅地建物取引主任者29、一級建築士28、土木鋼構造診断士27、技術士(環境部門)22、一級建築施工管理技士22と続く(資料:ケンプラッツ)
土木分野の実務者が「取得したい資格」上位10種。トップは技術士(総合技術監理部門)で153、2位が技術士(建設部門)で133、3位がコンクリート診断士で104と、この3つの資格に集中した。以下、コンクリート主任技士39、労働安全コンサルタント31、宅地建物取引主任者29、一級建築士28、土木鋼構造診断士27、技術士(環境部門)22、一級建築施工管理技士22と続く(資料:ケンプラッツ)

 建築・住宅分野のトップ3は、宅地建物取引主任者(81)、技術士(建設部門)(79)、一級建築士(78)。3つの資格が僅差で並ぶ。4位以降は少し離されて、設備設計一級建築士(65)、構造設計一級建築士(61)、コンクリート診断士(61)と続く。建築分野の回答435に占める割合は、トップの宅地建物取引主任者でも2割に及ばない。

建築・住宅分野の実務者が「取得したい資格」上位10種。宅地建物取引主任者の81を筆頭に、技術士(建設部門)が79、一級建築士が78と続く。少し差が開いて、設備設計一級建築士が65、構造設計一級建築士とコンクリート診断士が61と続く。以下、マンション管理士52、福祉住環境コーディネーター47、一級建築施工管理技士46、技術士(総合技術管理部門)45の順(資料:ケンプラッツ)
建築・住宅分野の実務者が「取得したい資格」上位10種。宅地建物取引主任者の81を筆頭に、技術士(建設部門)が79、一級建築士が78と続く。少し差が開いて、設備設計一級建築士が65、構造設計一級建築士とコンクリート診断士が61と続く。以下、マンション管理士52、福祉住環境コーディネーター47、一級建築施工管理技士46、技術士(総合技術管理部門)45の順(資料:ケンプラッツ)

 専門分野が土木と回答した数は、建築・住宅の3分の2しかない。にもかかわらず、土木の上位3種の資格は、建築・住宅のトップである宅地建物取引主任者よりも多い。土木分野では人気の資格がはっきりしているのに対して、建築・住宅分野では多様な印象だ。