節電の代名詞として急速に普及しているLED照明。消費電力を抑えて発熱量を減らせる、発光部が小さい、直流電力なら細い配線で点灯できる、応答性がよいといった多くのメリットを持つ半面、光の指向性が強く明暗差が生じやすい、明るさに応じた放熱の工夫が必要といった欠点もある。

八芳園白鳳館

 そうしたLEDの長所を生かし短所を解消した例が、東京・港区にある宴会場、八芳園白鳳館だ。同社は、築50年を過ぎた建物の内装の改修をインテリアデザイナーの橋本夕紀夫氏に依頼。2010年8月に完成した。

高さ2570mmの宴会場の天井を覆う21mm角のスチール格子に取り付けたLED照明で天井を照らす。鳳凰が羽を広げた様子をイメージしている(写真:ナカサアンドパートナーズ中道淳)
高さ2570mmの宴会場の天井を覆う21mm角のスチール格子に取り付けたLED照明で天井を照らす。鳳凰が羽を広げた様子をイメージしている(写真:ナカサアンドパートナーズ中道淳)

 照明デザインを担当した武石正宣氏(ICE都市環境照明研究所代表)は天井全体を覆うように組まれた円弧を描く曲線の格子の中に取り付け金物を埋め込みLED間接照明器具を取り付けた。少ない光で天井からテーブルを照らすダウンライトと、会場全体に柔らかな光を回す間接照明を組み合わせた。