国立代々木競技場の第一体育館と第二体育館で、3月31日に大屋根の塗装工事が完了した。1964年の竣工後、初となる全面塗り替えだ。最近では、4.5mm厚の鉄板に塗装を施した大屋根の老朽化が深刻な課題となっていた。
故・丹下健三氏が設計した代々木競技場の特徴といえばダイナミックな吊り屋根構造だが、第一体育館では過去の補修で屋根に塗り重ねた塗料が下地から剥離する現象がみられた。第二体育館でも塗装の劣化が目立っていた。さらに、両体育館とも鉄板の腐食が進行していた。
そこで、大屋根の塗装をいったん剥がし、鉄板を補修して全面的に塗り替える大掛かりな改修工事に踏み切った。改修設計は丹下都市建築設計、施工は清水建設が担った。工期は2010年11月1日から11年3月31日まで。工事費は約3億8000万円だ。