断熱材に引火か

 中国政府の事故調査チームのトップを務める駱琳・国家安全生産監督管理総局長は11月17日、事故現場にはナイロン製のネットや、ポリウレタン製の断熱材など可燃性の高い材料が大量にあったため、短時間で火災が燃え広がったとの見方を示した。

 さらに、施工体制の問題を指摘。無免許の溶接士が作業していたことや、多重の下請けによる違法な施工体制によって、現場管理が混乱し、安全措置が欠如していたと言及。「事故は避けることができた」と語った。

 改修工事は、上海市静安区建設総公司が受注。上海佳芸建築装飾工程公司が下請けし、複数の孫請けに出していた。上海市の警察当局は11月16日、重大責任事故容疑で工事関係者ら8人の身柄を拘束している。

全焼した高層ビルは上海市の中心部に建つ。多数の人が詰め掛けた
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同じ区画に建つ高層マンションでも改修工事を進めていた
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