太陽工業(大阪市)は9月22日、同社が開発した高機能の大型膜面外装材が10月1日にオープンしたユニクロ心斎橋店のファサード(店舗表側の壁面)に採用されたと発表した。これをベースにパッケージ化した新製品「膜ライティング」を展開してゆく。

建築中のユニクロ心斎橋店、日中(上)と夜間(下)の姿。ともに7月2日撮影(写真:太陽工業)
建築中のユニクロ心斎橋店、日中(上)と夜間(下)の姿。ともに7月2日撮影(写真:太陽工業)

 太陽工業はテントなど大型膜面構造物のメーカーで、このノウハウをビル壁面に応用して、LED照明や映像装置など光を加えた演出を行う外装材を開発した。夜間に、LED照明で膜の形状をカラフルに浮かび上がらせて彩り、集客効果を狙う。

 ユニクロ心斎橋店に導入したのは、2枚の高機能フッ素樹脂ETFE(エチレン・テトラフロロエチレン共重合体)フィルムの間に空気を入れてクッション状にした縦横2.7mのユニット。計158枚で、4階建ての建物を地上36メートルの高さまで覆う。

さまざまな色で発光する膜面外装材、7月2日撮影(写真:太陽工業)
さまざまな色で発光する膜面外装材、7月2日撮影(写真:太陽工業)

 太陽工業が膜外装の製造と施工を担当し、LED照明器具・制御は、三菱電機オスラム トラクソン・ビジネス・グループ(旧トラクソン・ジャパン、東京・渋谷)が担当。シリウスライティングオフィス(東京・杉並)が照明コンサルティングを行った。

大型膜面外装材ユニットの発光テスト(写真:太陽工業)
大型膜面外装材ユニットの発光テスト(写真:太陽工業)

 膜ライティングは、ETFEフィルムのほか、テント素材やスケルトンの質感を持ったメッシュ状の生地までさまざまなものが利用できる。同社は三角形、四角形、五角形、六角形のモジュールを用意し、プランニングから照明演出計画までを提案する。価格は1m2当たり7万~12万円(施工費込み、照明別)。10月1日に販売を開始、2011年度中に5件の受注を目指す。

■ユニクロ心斎橋店
所在地:大阪市中央区心斎橋筋1丁目2番17号
発注者:ソクラテス特定目的会社
テナント:ユニクロ
プロジェクトマネージャー:平和不動産
設計者:外装・内装/基本設計:藤本壮介建築設計事務所
    外装・内装/照明コンサルタント:シリウスライティングオフィス
    外装/実施設計:大林組
    内装/実施設計・監理:丹青社
    建築/基本設計・設計管理監修:日建設計
    建築/実施設計・監理:大林組
施工者:建築・外装:大林組
    テナント内装:丹青社
竣工時期:2010年9月1日
オープン時期:2010年10月1日
主構造:鉄骨造(一部鉄筋コンクリート造)
階数:塔屋1階、地上4階、地下1階
売り場面積:約800坪