日本建築家協会(JIA)と大光電機(大阪市)は10月3日、両者が主催する「建築家のあかりコンペ2009」の受賞作品を発表した。最優秀賞として、布に光ファイバーを織り込んだ「光のテキスタイル」(タジェール代表取締役の中村雅子氏)を選定したほか、優秀賞2点、特別審査員賞1点、佳作6点を選んだ。

最優秀賞


作品名:光のテキスタイル

受賞者:中村雅子(タジェール 代表取締役)

「光のテキスタイル」中村雅子(資料:日本建築家協会)
「光のテキスタイル」中村雅子(資料:日本建築家協会)


 同コンペは今年で3回目。「日本のあかり」をテーマに作品を募集した。審査委員長で建築家の芦原太郎氏は、受賞作品について次のように語った。「最優秀賞の『光のテキスタイル』は雰囲気のある布のようなあかり。照明は、昔はろうそくであり、電球から進化して最近はLEDも使われている。面発光やライン状の光源など技術は様々に進化しており、新技術を使った作品が出てきた。優秀賞の『光鈴』は、音と光が連動する。環境の中に自然を感じ、日本の風土をつくりだす試みはスケールが大きい。『蛍の光、窓の雪』というが、照明は照らす光から空間を演出する方向に進化しているのかなと」。

 「今回の受賞作は、アイデアコンペとしての作品だったので、次回は商品化を視野に入れた作品からも受賞作が出ることを期待している」(芦原審査委員長)。大光電機は応募作品の中から毎年1点を商品化している。

 昨年までは参加者をJIAの会員のみに限定していたが、今年から会員の設計事務所で働く設計スタッフなども参加できるようにした。作品の応募総数は101件と、昨年の47件に比べ2倍以上に増えた。

 審査員は建築家の藤本壮介氏、ライティングデザイナーの内原智史氏、和紙ディレクターの堀木エリ子氏、大光電機社長の前芝辰二氏。特別審査員にJIA会長の出江寛氏を迎えて審査を行った。

優秀賞(2点)


作品名:光鈴

受賞者:竹内申一(竹内申一建築設計事務所)

「光鈴」竹内申一(資料:日本建築家協会)
「光鈴」竹内申一(資料:日本建築家協会)


作品名:UKIZUKI -浮月-

受賞者:近智行(マリモ・デザイン・アトリエ 代表)

「UKIZUKI -浮月-」近智行(資料:日本建築家協会)
「UKIZUKI -浮月-」近智行(資料:日本建築家協会)


特別審査員賞(1点)


作品名:MUSUBI

受賞者:荻原雅史(一級建築士事務所 荻原雅史建築設計事務所 主宰)

「MUSUBI」荻原雅史(資料:日本建築家協会)
「MUSUBI」荻原雅史(資料:日本建築家協会)

佳作(6点)


作品名:electrical knit

受賞者:久保貴史(建築設計事務所 no office 代表)

「electrical knit」久保貴史(資料:日本建築家協会)
「electrical knit」久保貴史(資料:日本建築家協会)


作品名:Sliding Partition Light

受賞者:久保田英之(久保田英之建築研究所 代表)

「Sliding Partition Light」久保田英之(資料:日本建築家協会)
「Sliding Partition Light」久保田英之(資料:日本建築家協会)


作品名:LIGHT TUBE ひかりの灯篭~光と影で現れる立体~

受賞者:山本充彦(エー・アール・ネット 代表取締役)

「LIGHT TUBE ひかりの灯篭~光と影で現れる立体~」山本充彦(資料:日本建築家協会)
「LIGHT TUBE ひかりの灯篭~光と影で現れる立体~」山本充彦(資料:日本建築家協会)


作品名:一期一会

受賞者:秋田憲二(HAK.Co.,Ltd 代表取締役)

「一期一会」秋田憲二(資料:日本建築家協会)
「一期一会」秋田憲二(資料:日本建築家協会)


作品名:ホノカナアカリ

受賞者:松村哲志(AMBIENCE ARCHITECTS 一級建築士事務所 代表/日本工学院八王子専門学校建築設計科・建築デザイン研究科)

「ホノカナアカリ」松村哲志(資料:日本建築家協会)
「ホノカナアカリ」松村哲志(資料:日本建築家協会)


作品名:ヒカリノイタ

受賞者:今井勝英(I.M.A. 代表)

「ヒカリノイタ」今井勝英(資料:日本建築家協会)
「ヒカリノイタ」今井勝英(資料:日本建築家協会)