2009/09/28
軟弱地盤では、木の杭を打ち込んで地業をする――。日本で近代建築が建ち始めた頃から使われてきた技術だ。だが木材は空気を遮断しなければ腐食するため、地下水位の高い場所でなければ使えなかった。そうした課題を解消した戸建て住宅向けの木杭工法が登場した。打ち込むのは皮をむいたスギなどの間伐材で、杭の直径は12〜18cm。現行規格で最高等級の防腐処理を施している。
開発元は、地盤改良と木材の防腐処理を手掛ける兼松日産農林(東京都千代田区)。間伐材利用で森林保全やCO2の固定化に貢献できるとして、「環境パイル工法」と名付けた。8月末に仙台市で開かれた日本建築学会で発表した。

この工法の特徴は、断面が尖っていない丸太を回転させずに圧入する、という点だ。先端を尖らせないことで支持力が向上するうえ、周囲の地盤を壊さずに最大の摩擦力を発揮できるという。「圧入には最大15トンもの力が必要で、自社の専用機械を使う。圧入の際にかかった力を同時に測定できるので、想定した支持力を確実に得られる」(同社技術開発室の水谷羊介室長)。同社によると、地盤の状態によって異なるが、延べ床面積100m2程度の住宅に適用した場合、費用の目安は約70万円(杭40本)。従来の地盤改良工法と比較しても競争力のある工事費という。
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