フジテックは、これまでオーダーで請けていた大型のエレベーターをラインアップに加えた「新エクシオール」の販売を開始した。定員30人乗り、積載2000kgまで対応できるようになった。2009年9月28日に施行する改正建築基準法で義務付けられた大臣認定を取得済みだ。オフィスやマンションなどに加えて、医療・福祉施設、大型商業施設などでの採用を見込んでいる。

 市場拡大に向けて製品の訴求力を高めるオプション機能を強化した。かご内の天井照明に、ガラス繊維をフィルム状に加工したガラスクロスとLEDランプを組み合わせた「EX-01」タイプを加えた。ムラなく面状に拡散させる独自技術を開発し、約1年をかけて製品化に結び付けた。同社広報室の天野佳代子氏は「ベッドで仰向けになったままエレベーターに乗っても、まぶしさを感じることがない。医療・福祉施設などでの採用を想定している」と話す。光源の見えない柔らかな光で空間を照らすため、ホテルや商業施設などからの引き合いもあると予想している。蛍光灯と比較すると、LEDの寿命は約5倍で10年に1度のメンテナンスで済む。消費電力は蛍光灯に比べて約40%削減できる。

 そのほか、ドアまわりのセンサー機能もオプションで追加した。ひも状の物体を検出できるレーザー式の「ドアエッジセンサー」を搭載。医療施設で使用する点滴チューブやマンションで飼っているペットのリードなどの挟み込みを防ぐことができる。「カードアポケットセンサー」「光電式ドアニック」「光電式多光軸センサー」の3つの機能は標準装備している。

 価格は、速度60m/分、積載600kgの住宅用の定員10人乗りの場合、1155万円。初年度はシリーズ全体で3000台の販売を目指す。

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