大学中退、貧乏、引きこもり、と三拍子そろった主人公による殺人逃避行物語。主人公は拝金主義の世の中を憎み、愛する妹の結婚話をきっかけに殺人計画の実行へと突っ走る。その舞台は21世紀の東京……ではなく19世紀半ばのペテルブルクである。ドストエフスキーの「罪と罰」だ(原書は1866年出版)。こんなイマっぽい人物像が、既に文学に登場していたとは! おそロシア。恐るべし、ドストエフスキー。
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